【税務】私(事業者)は消費税を納めるべきなの!?

 消費税の簡単な仕組みについては、下記のエントリーでご紹介いたしました。

sakur-a.hatenablog.com

  

今回は、個人事業主であるあなたが、本当に消費税を納めなければならないのか、いわゆる「納税義務者」についてご紹介します(´・ω・`)

 

消費税は、消費者の方から預かっている訳ですから、そもそも全ての事業者が納めるべきものです(*´Д`)

 

しかし、小規模な事業者さんであれば、まぁ納めなくてOKですよという特例が存在します。

他にも、納税義務を免除する規定があるので、しっかり押さえましょう。

 

なお、ここでは単に「売上」としていますが、課税売上と免税売上の合計額を指します。あなたが行っている取引が「課税取引」なのか、「免税取引」なのか、「非課税取引」なのか、「課税対象外取引」なのかについては、別エントリー「消費税の可否判定~基本編:消費税は全ての取引でかかるわけではない!」をご覧ください

個人事業主の消費税の納税義務の判定>

step.1: 2年前の売上をみる

step.2: 前年上半期の売上と人件費をみる

※相続で事業を承継した方は、他にも判定基準があります。

 

step.1: 2年前の売上をみる

1つめの基準は、2年前の売上が1,000万円を超えているかどうかで判定します。

2年前の売上が1,000万円を超えていれば、今年の消費税の納税義務があることになります(`・ω・´)

逆に2年前の売上が1,000万円以下の場合であれば、step.2に進みます(まだ免除が確定していません!\(゜ロ\)(/ロ゜)/)。

 

なお、個人事業主の場合は、年の途中で開業したとしても、1月1日から12月31日の期間の売上で考えます。

 

<設例>

・2年前の「X1年7月1日」に開業

・X1年7月1日からX1年12月31日までの売上は800万

→6か月で800万円だから、12ヶ月にすると1,600万だ!とはなりませんΣ(・□・;) step.2に進みます

 

step.2: 前年上半期の売上と人件費をみる

 step.1で2年前の売上が1,000万円以下である場合、前年上半期(1月1日から6月30日)までの売上or人件費が1,000万円を超えていれば、納税義務が発生します。

逆に、前年上半期の売上or人件費が1,000万円以下である場合には、消費税の納税義務が免除されます。

 

売上or人件費ですから、売上が1,000万円超であっても人件費が1,000万円以下であれば、納税義務なしとなります。

 

設例の前に、1,000万円の判定をする売上は、税込なのか税抜なのかという疑問が残ります。

 

これは、判定をする基準となる年の納税義務があるか無いかで決まります。

2年前(or前年)に納税義務があったのであれば、税込で考えることになり、納税義務がなければ税抜で考えることになります。

これは、条文上「課税売上高」という用語で定めており、この「課税売上高」の定義上そう考えることになるのですが、詳細は専門家にお任せしてください。

 

・2年前(or前年)の売上が1,080万円で納税義務があった場合

⇒税抜1,000万円≦1,000万円 ∴「今年の」納税義務なし

・2年前(or前年)の売上が1,080万円で納税義務がなかった場合

⇒1,080万円>1,000万円 ∴「今年の」納税義務あり

 

※税率8%として計算

<設例>

・X1年の8月10日に開業しました

・今年はX3年です

・2年前であるX1年の売上は972万円でした

・1年前であるX2年上半期の売上は1,296万円でした

・1年前であるX2年上半期中に支払った給与や賞与はありませんでした

・今年X3年の売上高は864万円で、消費税のかかる仕入と経費の合計は756万円でした

 

【解答】

step.1: 2年前の売上高の判定

X1年の売上972万円≦1,000万円 ∴step.2へ

 

step.2: 前年上半期の売上or人件費の判定

X2年上半期の売上 1,296万円>1,000万円

but

X1年上半期の人件費 0円≦1,000万円 ∴納税義務なし

 

よって、X3年中に預かった消費税64万円△預けた消費税56万円の差額8万円は預かりっぱなしで納税しなくてOKとなります(´゚д゚`)

 

(´゚д゚`)

 

納税義務がないのに、売上に消費税を上乗せしてもいいのかという疑問が残ります(´゚д゚`)

預かった消費税に対して、今年それを納める義務があるかどうかというものになるので、預かってしまって問題ありません。

すなわち、消費者が負担した消費税が全て国庫に納入されるわけではないということで、この問題を「益税」と呼んだりしています。

 

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