【税務】所得税の計算過程をざっくり知りたい

フリーランスの確定申告。

自らの所得税を「計算」して「申告」し「納付」するのです。

 

今日は、その所得税の計算がどの様にして行われるのか、ざっくり解説します。

 

<計算順序>

1.収入額を計算する

2.所得額を計算する

3.所得から控除できる額を計算する

4.税額をいったん出す

5.税額から控除できる額を計算する

6.税額を出す

 

<解説>

1.収入額を計算する

フリーランスの方の場合には、「売上」ですね。

 

2.所得額を計算する

さっそくです。収入とちゃうんかい!と。

収入≠所得、これは覚えておきましょう。

で、この所得はとりあえず、「利益」だ、とおさえておきましょう。

 

3.所得から控除できる額を計算する

ここで、所得(利益)に対して税率をかけて所得税を算出すると

税額がえらいこっちゃになるんですよね。

 

それと、同じ所得(利益)でも同じ税負担で良いのかという問題があります。

例えば、次の2人は同じ税負担で良いのかという問題です。

 

太郎さん:所得(利益)300万円、扶養親族なし

二郎さん:所得(利益)300万円、扶養親族3人

 

所得(利益)300万円を一人で使える太郎さん、家族4人で使う二郎さんが同じ所得税を負担することは、公平性に欠けるという問題です。

 

そこで、個人個人の事情に合わせて所得(利益)を減額させますよ、というのが、「所得控除」というわけです。

 

具体的な「所得控除」については、別エントリーの「所得控除を確認しよう」を見てみてください。

 

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4.税額をいったん出す

ここまでで、税率をかける前の金額が計算できたことになります。

この金額を「課税標準」と呼ぶことにしましょう。

 

 ・売上△経費=所得(利益)

 ・所得(利益)△所得控除=課税標準

 ・課税標準×税率=税額

 

税率は、「課税標準」の額によって変わります。

URL:No.2260 所得税の税率|所得税|国税庁

 

5.税額から控除できる額を計算する

これで終わりではありません。

ステップ4.で算出した税額から減額してもらえるものがあります。

これを「税額控除」と呼ぶことにしましょう。

「住宅ローン控除」は馴染みのある(聞いたことのある)ものではないでしょうか。

これも税額から控除してもらえるものですね。

住宅ローン控除の詳細は、別エントリー「住宅ローン控除について」を見てみてください。

  

6.税額を出す

これで最終段階です。

 

 ステップ1.~2.:売上△経費=所得(利益)

 ステップ3.:所得(利益)△所得控除=課税標準

 ステップ4.:課税標準×税率=税額

 ステップ5.~6.:税額△税額控除(例えば住宅ローン控除)

 

他に、予定納税をしていたり、源泉徴収されていたりしたものがあれば、ここで調整をかまします。

例えば、売上代金10万円を受け取るときに、1万円を天引きされて入金された場合、入金額は9万円ですね。

 

10万円分の仕事をして、9万円の入金・・・(´゚д゚`)

 

差額1万円は所得税の前払いをしているわけです。

(実際に納付しているのは、あなたに売上代金を支払う会社です)

 

でもですよ。ステップ1.から順番に所得税を計算しているわけですよね。

そこで、あなたの今年の所得税が10万円と計算されたとします。

そのうち、1万円はすでに前払いしているので、差額の9万円を今回納付すればOKということになるわけです。

  

ちなみに、一般的にステップ3.の所得から控除するよりも、納税者有利なものであることはご理解いただけるかと思います。

例えば、10万円を所得から控除するのか、税額から控除するのか、ということで、以下のように変化がおきます。

所得(利益)は200万円としておきましょう。

 

<所得から控除>

・所得 200万

・所得控除 10万

課税標準 190万

・税額 95,000円

 

<税額から控除>

・所得 200万

・所得控除 0

課税標準 200万

・税額 102,500円

・税額控除 10万

・税額 2,500円

 

10万円を所得から控除するのか、税額から控除するのかについては、一般的には上記の通り税額から控除した方が最終的な税額は少なくなるのですね。

 

<免責事項>

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